どうして耐震等級3を薦めるのか?

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イントロ

今まで30年住宅に関わって来た経験として大きな地震の後は住宅の耐震性向上の希望や強度の不安のお話をお客様から聞くのですがそれも束の間で、この前の地震は凄かったから、多分もうしばらく大きな地震は来ないだろうなんて、根拠のない正常性バイアスが発動されて、結局は建築基準法クリア出来てればそれでいいというところに落ち着いてしまうケースが本当多い。

アンケートの結果

新建新聞社でのアンケート結果でも家を検討段階では40.4%の方が耐震等級3を希望していたものが採用した耐震性能レベルは36.8%、耐震等級2を希望していた人14.6%で実際に等級2で建設した人は7.1%と軒並み実際の採用率は下がっています。

でもね、本当地震って誰にも予測出来ない、来るor来ない、震度・マグニチュードがどれくらいか、何回来るか、振動周期がどの位か?誰にもわからない。ちなみにわからないことといえどそれでいて過去10年間の震度6以上の発生回数は9箇所40件以上。均すと毎年日本のどこかしらで大きな地震が起こっていることになる。そんなよく言われる所の「地震大国日本」に家を建てる以上、耐震性能は本来こだわらざるを得ない性能のはずだと思います。不安を煽る訳ではないけれど、住宅ローンの支払い途中で住めなくなる事はどうしても避けたい。

そもそも等級3とは何か?

ところで耐震等級って何かということを確認しておきたいと思います。

2000年に施行された「住宅の品質確保の促進等に関する法律」に基づいています。1900年代に発覚した欠陥住宅問題を解決するために、基本構造体に対する10年間の瑕疵担保責任と共に、消費者が住宅性能を把握しやすくするための住宅性能表示制度が出来ました。その性能表示制度の中構造強度に関する項が耐震等級になります。

この耐震等級は1〜3で表し、
□耐震等級1  建築基準法「新耐震基準」水準
 ・数十年に一度発生する地震力(震度5程度)に対して住宅が損傷しない程度
 ・数百年に一度発生する地震(震度6強から7程度)に対して倒壊、崩壊しない耐力
□耐震等級2、等級1の⒈25倍の強度
□耐震等級3、等級1の⒈5倍の強度
と定義しています。

評価の方法

そしてこの3段階のどの等級に達しているかを評価(立証)する方法は2種類
□1・評価基準
□2・許容応力度計算
の2ルートあります。
1・は言ってみれば建築基準法の仕様規定に近く建築基準法の告示という項で規定されている簡便な方法
1、耐力壁の量
2、配置のバランス、
3、接合部の仕様(土台と柱、柱と梁)
4、柱の断面積の検討に評価基準では床倍率(水平構面)の検討
に基礎仕様と梁の断面積検討を加えて壁量が1、25・1、5倍存在するかの検討を行います。

2・の許容応力度計算は構造計算でこちらのほうが実情に即して正確性のある立証方法になり、より安全性が高いと言えるでしょう。

ちなみにサクラファクトリーでは1・の方法で耐震等級3の認定を受けてきました。

継続して使い続けていくには

建築基準法の地震強度に対する定義って震度6強程度の地震で倒壊しない強度。
定義づけを逆読みすると震度6~7では損傷するという事。
建物の耐力を保つ為の壁仕様というのは金物や面材ををビスや釘で留付けているので揺れが大きかった場合釘穴が広がり、2回目、3回目の揺れでは当初に比較して耐力が下がっていると考えるべきだと思います。
だからこの耐力を持たせるためにも、耐力に余裕を持って設計し、極力揺れによる変形の少ない状態にしておく必要があると考えています。
このように耐震等級1では最大震度が複数回来る事は想定していないよう。
ところが現実来てしまったんだなぁ、熊本で。普通始めのドカーンという大きな地震が最大で本震、その後が本震より小さな揺れの余震が続いて徐々に揺れを感じなくなり日常に戻ってゆくものと思っていたが、熊本では始めにドカーンと余震がきて、その後更に同程度の本震がまたドカーンと来てしまった。
このように自然災害に規則とか定義とか通用しないんですよね。

耐震等級1で震度6~7では震災後そのまま継続して使い続ける(住み続ける)事までは想定していない強度想定です。ですから等級1で震災級の地震に遭ってしまった場合当然一定程度の損傷を想定しなければならないのですが
震災の直後に修理なんてすぐできる訳もないし、ちょこっと手を入れれば住めるなんていうことはおそらくないでしょう。地震保険に入っていても、直ぐに査定に来てくれる訳ではないし、住宅ローン残ったまま、また何百万円・何千万円の修理費なんて捻出難しいですよ。
だから、その可能性を減らすための耐震等級UPが価値ある選択になると考えてます。

免震・制振・耐震

最近では耐震の他に制振とか免震とか昭和の時代には住宅建築では現実的では無かった方法も実用化されて来ています。
免震・地震の揺れを建物の下に取り付けたゴムやスプリングのダンパーが揺れを吸収して、直接地震エネルギーが建物に作用しないようにする方法
制振・地震のエネルギーを高密度ゴムダンパーやオイルダンパー、特殊金属の変形する際の熱エネルギーに変換して建物へ加わったエネルギーを減衰させる方法です。
免震はね流石にコストとか敷地の問題やメンテナンスの課題があるので、なかなか一般住宅での実用化にはハードルが高すぎるのですが、制振に関しては、ダンパーとかはたまに見られるようになりましたね。地震による運動エネルギーを熱に変換して放散する事で建物に与える影響を減らすって発想凄いです。ただし、今のところこの優秀なメカを付けても耐震評価上計算に入れず、あくまでも耐力壁量やバランスが整っている状態で地震のエネルギーを減衰させるということ。もちろんその方が安心・安全なのです。だから元々弱々の建物にダンパーつけたから地震にOKとはならないので、過剰な期待は御禁物。モータースポーツ好きな男子にとっては自分の住んでる家の壁の中にダンパー入ってるなんてときめいてしまうのですけどね。

話しが耐震等級から少し離れてしまったのですが、地震のない平時の生活ではいくら強度が高い家でもその性能を実感する事は100%無いので、巷の動画サイトやweb情報では「耐震等級3は意味がない」的な見出しで記事や口コミ書いてあるけど、ギリギリの基準に合わせてつくるより、よっぽど安心して暮らしたいものです。

ここからは悪口(読み飛ばして結構です)

よく広告で見る「耐震等級3相当」の性能。この表現はどうとでも捉えてられてしまう紛らわしいニュアンスで出来ているので、耐力壁を単純に1.5倍にしているだけかもしれないし、ちゃんと設計はしてるけど認定は受けてないだけかもしれない。ただね、耐震等級3が証明出来ると享受されるメリットとして、ローンで優遇を受けられたり、保険料下がったり等メリットあるのよ。「相当」で切り上げてる話しの場合多分自分で認定受けた経験ないからなんでしょうね。結果的に基礎の検討とか梁せい検討とか今まで感覚に頼ったり、構造材プレカット業者さんにお願いして来た部分一緒にやらなきゃなくなるからね。

耐震3のコスト

よくね、耐震等級3を取ると値段が上がるという話しになるのですが、総工費の割合から考えると本当コスパの良い性能アップの方法だと思うんです。だって、強くするために無いものを足してる訳ではなく、ちょっと木材の材積が増えて、ちょっと金物が増えるだけなんです。基礎は普段どのレベルで作っていたかによって開きがあるかもしれませんが、差額全部併せて100万円もいかないものと考えています。

もう、耐震等級3取得しない理由が考えられませんよね。

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